日本のエースが逆境をはね返した。イタリア1部リーグ(セリエA)第6節(4日=日本時間5日)、ACミランに所属する日本代表FW本田圭佑(28)はキエボ戦の後半33分に今季4点目をFKで叩き込み、2―0の勝利に貢献した。昨季の不振を振り払う活躍を見せる10番は、ついに“悪魔の左足”も完全復活。日本代表で浮上していたFKキッカー交代論にも終止符を打った。 今季開幕から絶好調の本田はこれで4ゴール目。しかも、得意の“悪魔の左足”でイタリア初のFK弾を決めた。ミランのガリアーニ副会長は「昨季は本田の兄弟がやって来たので、われわれは文句を言って本物を送ってもらったんだ」とジョークを交え、活躍をたたえた。 FKの場面ではチームメートのFWメネス(27)も蹴ろうとしたが、本田はボールを抱え込んで譲らなかった。10番を背負う強い覚悟を見せ「セットプレーは今後も任せてもらえるのであれば、継続してチームの得点源になれるようにやっていきたいと思う」と話した。今季はFK専門コーチのジョバンニ・ビオ氏からマンツーマンで指導を受け、キックの精度は格段に高まっている。 今回のFKゴールは、日本代表での立ち位置に与える影響も大きい。昨季まではFKが大スランプ。日本代表では2010年南アフリカW杯以降、FKキッカーをほぼ独占してきたが、4年間で決めたゴールは、わずかに「1」だ。精度が低く、チャンスにも結びつかないため、代表チーム内では何度もFKキッカー交代論が浮上した。 それでも本田はFKを譲ることはなかったが、日本代表にハビエル・アギーレ監督(55)が就任すると、キッカー剥奪の動きが加速。FW岡崎慎司(28=マインツ)が「FKとかもやっていきたい」と言えば、本田と同じ左利きのMF田中順也(27=スポルティング)やDF太田宏介(27=FC東京)、DF塩谷司(25=広島)らが“ポスト本田”に名乗りを上げた。 キッカーの座は風前のともしびとなっていたが、今季は“悪魔の左足”が完全復活。ある元日本代表FWが「基本的にFKは調子のいい選手が蹴るものだし、一番ゴールできそうな選手が蹴ればいい。今の状態なら本田に文句を言える選手はいないはず」と指摘するように、自らの左足で交代論を封じ込めた格好だ。 5日付のイタリア紙「トゥット・スポルト」はチーム最高の7.5点をつけ「最良の選手の一人。FKは宝」と高く評価した。本田は日本代表に合流するため6日に帰国し、国際親善試合のジャマイカ戦(10日、新潟)、ブラジル戦(14日、シンガポール)に備える。今度こそ不動のFKキッカーとして存在感を示してくれそうだ。
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